薬剤師の転職活動は、転職理由や希望条件を整理するところから始めます。求人探し、応募、面接、内定後の条件確認、退職まで、いくつかの段階に分けて進めるとスムーズです。
薬剤師が転職を考えたとき、「何から始めればいいのかわからない」「転職サイトに登録するタイミングは?」「面接や退職はどう進めればいい?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
転職活動では、いきなり求人に応募するのではなく、まず転職理由や希望条件を整理し、自分に合った転職先を考えることが大切です。そのうえで求人を比較し、応募、面接、内定、退職という流れで進めていきます。
この記事では、薬剤師の転職活動を始める準備から、求人探し、応募・面接、内定後の条件確認、退職、入職までの流れを順番に解説します。
転職活動が初めての方でも全体の流れを把握できるようにまとめていますので、「これから転職活動を始めたい」という方は参考にしてください。
薬剤師の転職活動はこの流れで進めよう
薬剤師の転職活動は、次のような流れで進めると整理しやすくなります。
なぜ転職したいのかを整理し、年収・休日・仕事内容・勤務地など、転職先で重視したい条件を決めます。
希望条件に合う業態や職場を考え、求人情報を比較しながら候補を絞り込みます。
仕事内容や勤務条件などを確認し、応募する求人を決めます。必要に応じて複数の求人を比較します。
これまでの経験や応募先に合わせて、履歴書や職務経歴書を準備します。
求人に応募し、書類選考や面接を受けます。転職理由や志望動機、これまでの経験などを整理しておきます。
年収だけでなく、勤務時間、休日、残業、手当、勤務地などの条件を確認してから入社を決めます。
入職時期を確認したうえで、現在の職場に退職の意思を伝え、引き継ぎなどを進めます。
入職日や必要な書類、持ち物などを確認し、新しい職場で働き始める準備をします。
STEP1|転職理由と希望条件を整理する
転職活動を始めるときは、いきなり求人を探すのではなく、まず「なぜ転職したいのか」を整理してみましょう。
転職理由が曖昧なままだと、求人を見ているうちに条件が増えたり、最初に考えていた転職目的から離れてしまったりすることがあります。
なぜ転職したいのかを整理する
まずは現在の職場で感じている不満や、転職によって実現したいことを書き出してみましょう。
- 年収を上げたい
- 土日休みの職場で働きたい
- 残業を減らしたい
- 調剤スキルを身につけたい
- 病院で臨床経験を積みたい
- ドラッグストアでOTCにも関わりたい
- 企業で働きたい
- 人間関係や職場環境を変えたい
すべてを同時に実現できる求人が見つかるとは限らないため、「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けておくと、求人を比較しやすくなります。
希望条件は最初から増やしすぎず、「譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けておくことがポイントです。
転職先の業態も考えておく
薬剤師の転職先には、調剤薬局、病院、ドラッグストア、企業などがあります。それぞれ仕事内容や勤務条件、身につけられる経験が異なります。
転職先そのものがまだ決まっていない方は、まずそれぞれの特徴を比較して、自分が希望する働き方に近い業態を考えてみるとよいでしょう。
調剤薬局・病院・ドラッグストア・企業の仕事内容や特徴については、以下の記事で詳しく比較しています。

未経験の業態への転職を考えている場合は、転職先によって求められる経験やスキルも確認しておきましょう。詳しくは以下の記事で解説しています。

STEP2|転職先と求人を探す
希望条件が整理できたら、実際に求人を探します。
この段階では、最初から一つの求人に絞り込むのではなく、複数の求人を見ながら「自分の希望条件でどのような求人があるのか」を確認することが大切です。
求人票の条件を比較する
求人を見るときは、年収だけでなく、勤務時間、休日、残業、勤務地、仕事内容、手当なども確認しましょう。
年収が高く見えても、勤務時間が長かったり、休日数が少なかったりする場合があります。反対に、年収だけを見るとそれほど高くなくても、休日や勤務時間などを含めると希望に合っていることもあります。
求人票の具体的な見方や、年収・休日・仕事内容などのチェックポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

転職サイトを利用する方法もある
薬剤師の求人を探す方法の一つが、薬剤師向けの転職サイトを利用する方法です。
転職サイトでは求人を検索できるほか、サービスによっては担当者に希望条件を伝えて求人を紹介してもらったり、応募先とのやり取りをサポートしてもらったりできます。
転職サイトを選ぶときは、求人数だけでなく、自分が希望する業態や地域の求人を扱っているか、どのようなサポートを受けられるかなども確認しておきましょう。
薬剤師向けの転職サイトについては、以下の記事で詳しく比較しています。

STEP3|応募する求人を絞り込む
求人を比較したら、実際に応募する求人を絞り込みます。
この段階でも、一つの求人だけに決める必要はありません。仕事内容や勤務条件を比較しながら、自分の希望に近い求人を複数検討する方法もあります。
複数の求人を比較してから応募する
転職先を早く決めたいからといって、最初に見つけた求人だけで判断する必要はありません。
複数の求人を比較すると、年収や休日、勤務時間、仕事内容などの違いが見えやすくなります。
複数の求人を比較するときは、年収や休日、勤務時間、仕事内容などを一覧にして整理すると便利です。気になる求人を比較する際は、求人比較チェックシートを使って条件を整理してみましょう。
転職サイトを複数登録して求人を比較する方法もありますが、登録するサービスが増えすぎると管理が大変になることもあります。自分が比較したい求人や必要なサポートに合わせて利用するサービスを選びましょう。
転職サイトを複数登録するメリットや注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

STEP4|履歴書・職務経歴書を準備する
応募する求人が決まったら、履歴書や職務経歴書を準備します。
これまでの経験を整理する
薬剤師としての経験だけでなく、担当してきた業務、扱ってきた処方、患者さんへの対応、後輩の指導、管理業務など、自分がこれまでどのような仕事をしてきたのかを整理してみましょう。
同じ薬剤師でも、勤務先によって経験できる業務は異なります。応募先が求めている経験と、自分が持っている経験の共通点を整理しておくと、応募書類や面接でも伝えやすくなります。
応募先に合わせて内容を調整する
応募先が変われば、アピールしたい経験も変わります。
例えば病院への転職であれば、これまでの調剤経験だけでなく、病棟業務やチーム医療など、応募先で活かせる経験を整理するとよいでしょう。
調剤薬局、ドラッグストア、企業などに応募する場合も、応募先の仕事内容を確認したうえで、自分の経験とどのようにつながるのかを考えておきましょう。
STEP5|応募・面接を進める
応募書類を準備したら、求人に応募して選考を進めます。
応募前に求人内容をもう一度確認する
応募する前に、仕事内容や勤務時間、休日、勤務地、給与などをもう一度確認しておきましょう。
求人を見たときには気にならなかった条件でも、応募する段階で確認しておきたいことが出てくる場合があります。
面接で聞かれやすい内容を整理する
薬剤師の転職面接では、これまでの経験や転職理由、志望動機、今後やりたい仕事などを説明できるように準備しておきましょう。
特に転職理由は、現在の職場への不満だけを伝えるのではなく、「転職によってどのような働き方をしたいのか」という前向きな方向に整理しておくと伝えやすくなります。
逆質問も準備しておく
面接の最後に質問する機会がある場合に備えて、仕事内容や勤務条件など、気になることをいくつか整理しておきましょう。
STEP6|内定が出たら条件を確認する
内定が出たら、すぐに承諾するのではなく、提示された条件を確認しましょう。
年収だけでなく勤務条件を確認する
- 年収・月給・賞与
- 勤務時間
- 休日・休暇
- 残業の有無や程度
- 各種手当
- 勤務地
- 転勤の有無
- 仕事内容
- 入職予定日
求人情報を見ていたときの条件と、実際に提示された条件に違いがないか確認することも大切です。
年収や休日など、特定の条件を重視して転職先を探している方は、それぞれの条件に合わせて求人の探し方を確認しておくとよいでしょう。

また、土日休みなど休日の条件を重視する場合は、以下の記事も参考にしてください。

「内定が出たから安心」ではなく、入職後の働き方をイメージしながら条件を確認しましょう。
気になる条件は入社を決める前に確認する
休日や勤務時間、残業、給与など、気になる条件がある場合は、入社を決める前に確認しておきましょう。
「入社してから聞けばいい」と考えていると、後から希望との違いに気づくことがあります。条件面で確認したいことは、できるだけ事前に整理しておくと安心です。
STEP7|現在の職場に退職を伝える
転職先を決めたら、現在の職場に退職の意思を伝えます。
退職時期は、転職先の入職予定日だけでなく、現在の職場の業務状況や引き継ぎなども考慮して決める必要があります。
退職を伝える前にスケジュールを確認する
転職先の入職日が決まっている場合は、現在の職場をいつまでに退職する必要があるのかを逆算しておきましょう。
就業規則などに退職に関する定めがある場合もあるため、退職を伝える前に確認しておくと安心です。
引き継ぎも計画的に進める
担当業務が多い場合は、退職を伝えてから慌てないように、引き継ぎが必要な仕事を整理しておきましょう。
特に薬剤師は、患者さんへの対応や担当業務など、職場によって引き継ぎ内容が異なります。自分が担当している仕事を整理しておくと、退職までのスケジュールを立てやすくなります。
STEP8|入職に向けて準備する
退職の手続きが進んだら、新しい職場で働き始める準備をします。
入職日や必要な書類を確認する
入職日や集合場所、必要な書類、持ち物などを事前に確認しておきましょう。
転職先から案内された手続きがある場合は、期限までに対応します。
新しい職場で働く準備をしておく
仕事内容や勤務時間など、これまでの職場と変わる点を確認しておくと、入職後のイメージを持ちやすくなります。
特に転職先の業態が変わる場合は、これまで経験していなかった業務を担当することもあります。わからないことがあれば、入職前に確認できる範囲で確認しておきましょう。
薬剤師の転職活動で失敗しないための5つのポイント
転職活動をスムーズに進めるためには、単に手順を追うだけでなく、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
1.転職理由を曖昧にしたまま求人を探さない
転職理由が曖昧なまま求人を探すと、年収、休日、勤務地など、目についた条件だけで求人を選んでしまうことがあります。
まず「今の職場の何を変えたいのか」「転職後にどのように働きたいのか」を整理しておきましょう。
2.希望条件を増やしすぎない
希望条件が多すぎると、条件に合う求人が見つかりにくくなる場合があります。
「年収」「休日」「勤務地」「仕事内容」などをすべて妥協できない条件にするのではなく、優先順位をつけておきましょう。
3.求人票だけで職場を判断しない
求人票には多くの情報が掲載されていますが、実際の職場の雰囲気や忙しさ、人員体制などまではわからないことがあります。
気になる点があれば、面接や転職サイトの担当者とのやり取りなどを通して、できる範囲で確認しておきましょう。
4.内定を急いで決めない
内定が出ると安心して、そのまま決めたくなることもあります。しかし、入職後に後悔しないためには、提示された条件を改めて確認することが大切です。
複数の求人を比較している場合は、それぞれの条件や仕事内容を並べて確認すると、自分の希望に合っているか判断しやすくなります。
5.退職は転職先とのスケジュールを考えて進める
転職先が決まったからといって、現在の職場との調整を後回しにすると、入職日との調整が難しくなることがあります。
転職先の入職予定日と現在の職場での退職・引き継ぎのスケジュールを確認し、余裕を持って進めましょう。
転職サイトを利用すると転職活動を進めやすい
薬剤師の転職活動では、自分で求人を探して応募する方法だけでなく、転職サイトを利用する方法もあります。
転職サイトによってサービス内容は異なりますが、求人紹介、応募先との連絡、面接日程の調整などをサポートしてもらえる場合があります。
求人探しをサポートしてもらえる
希望する年収、勤務地、休日、業態などを伝えておくことで、条件に合う求人を紹介してもらえる場合があります。
応募先とのやり取りを任せられる場合がある
転職活動では、求人への応募だけでなく、面接日程の調整や入職時期の相談など、応募先とのやり取りも発生します。
条件について相談できる場合がある
転職サイトによっては、年収や勤務条件などについて応募先との調整をサポートしてもらえる場合があります。
自分で条件を伝えることに不安がある方は、こうしたサポートがある転職サービスを利用する方法もあります。
転職サイトを利用するメリットや、使わないほうがよいケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。

例えばファーマキャリアでは、希望条件をもとに求人を探してもらえるサービスを提供しています。サービスの特徴や利用者の評判については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、転職サービスを利用する場合も、紹介された求人をそのまま選ぶのではなく、自分の希望条件と照らし合わせて比較することが大切です。
転職サイトは「転職先を決めてもらうため」に使うのではなく、求人探しや応募、条件確認などを効率よく進めるための手段として活用しましょう。
薬剤師の転職活動は在職中に始めてもいい?
転職活動は、現在の職場で働きながら始めることもできます。
在職中に転職活動するメリット
在職中に転職活動を始めれば、転職先が決まるまで現在の仕事を続けることができます。
そのため、収入を確保しながら求人を比較し、自分に合う転職先を探すという進め方ができます。
在職中に転職活動するときの注意点
一方で、仕事をしながら求人探しや面接を進めるため、スケジュール管理が必要です。
面接日程の調整や応募書類の準備などが重なることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
退職してから転職活動する方法もある
退職してから転職活動を始める方法もあります。時間を確保しやすいため、求人探しや面接に集中しやすいという面があります。
ただし、転職先が決まるまで収入が途切れる可能性があるため、生活費なども考えたうえで判断する必要があります。
薬剤師の転職活動にはどのくらいかかる?
転職活動にかかる期間は、求人探しから入職までの進め方や応募先によって異なります。
求人を探してすぐに応募する場合もあれば、希望条件に合う求人を比較する期間が長くなる場合もあります。また、書類選考や面接の回数、現在の職場を退職するタイミングによっても変わります。
そのため、「何日で転職できる」と決めつけるのではなく、転職したい時期から逆算して余裕を持って準備することをおすすめします。
転職時期が決まっている場合は、求人探し、応募、面接、内定、退職、入職までに必要な時間を考えて、早めに動き始めましょう。
まとめ|薬剤師の転職は計画的に進めよう
薬剤師の転職活動は、まず転職理由と希望条件を整理し、そのうえで転職先や求人を探すところから始めます。
その後、応募する求人を決め、履歴書・職務経歴書を準備して応募・面接へ進みます。内定が出たら勤務条件を確認し、転職先との入職時期を調整したうえで、現在の職場の退職手続きを進めます。
転職活動では、年収だけでなく、仕事内容、休日、勤務時間、残業、勤務地など、自分が重視したい条件を整理して求人を比較することが大切です。
また、求人探しや応募先とのやり取りに負担を感じる場合は、薬剤師向けの転職サイトを利用する方法もあります。
